看取りねっとが目指すもの

 ~管理者ご挨拶~

 この「看取りねっと」は、自宅で家族介護を行っていた家族介護者や、家族の在宅死を看取った介護遺族の語りから、介護や看取り文化の再生のための情報を集めることを目指して構築しました。またこれから在宅療養の家族介護や在宅での看取りを準備している方たち、その只中にある方たちを、体験者の知識と技術で支えたいという願いからたち上げたものです。 互いが体験的にその身で得た在宅療養の介護や看取りの知恵を、是非この「語りの場」から発信し、新たに再生しつつある在宅介護・看取り文化の社会的継承の試みに参加していただきたいと願っています。

 また、同時にこの「看取りねっと」は、社会化された介護サービスを巧みに利用し、医療機関に迅速にアクセスできる自律自助的な家族介護者の登場やそのネットワークが、社会的継承に足る、新たな介護文化、看取り文化の創造を叶えるかもしれないという研究仮説を検証するためのものでもあります。家族の死を居住の場で経験した方たちが発信するメッセージや情報の蓄積は、今後在宅療養や在宅死が増加する日本において、これまでとは異なる死の受容のし方を模索する試みであり、訪れる多死社会にとっての健康観や死生観の変容を先取りして学び合う場の創造でもあります。

 2025年をゴールに在宅療養や在宅での看取りの受け皿として各自治体が構築を進める地域包括ケアシステムにとって、医師でも、看護師でも、介護の専門家でも、その他の医療関係者でもない私たちが、実は家族介護者という極めて重要なピースとならざるを得ないのであるなら、互いの患者家族が望むより良い療養の在り方や死の迎え方について皆で語り合いませんか。この小さな試みの場にひとりでも多くの家族介護者、家族介護遺族の声をお寄せください。

(本HPは日本医療大学学術助成金を得て構築しています。)

管理者 林 美枝子